仮想デスクトップ導入の理想と現実、
そしてそのベストプラクティス

第四回:ベストプラクティス – 企画段階①

デスクトップ仮想化の成功を阻む様々な要因を説明してきました。では、どのように進めれば滞りなく組織内のデスクトップを仮想化し、その利便性を享受できるようになるのか、ここでは各段階において推奨されている方式、ベストプラクティスについて紹介します。

①企画段階で検討すべきこと

「既存のユーザーや端末の分類 = ディスカバリーフェーズ/棚卸し」

①-1 既存のユーザーや端末の分類

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」
デスクトップ仮想化の第一歩は、己を知る事です。デスクトップ環境を移行するに当たり、現在の利用状況を把握し、現時点での立ち位置を明確にして初めてゴールのビジョンと到達までのステップを描くことができます。ここでは、以下の項目について検討します。

  • 仮想デスクトップ導入の背景となるビジネス上の目的
    何のために仮想デスクトップを導入するかを確認します。
    BCP(事業継続計画)の一環か、在宅勤務環境を構築し、フレキシブルな勤務形態を実現することか、データの一元化によるセキュリティの向上か、端末の耐用年数延長や、交換が容易になることによる運用コストの削減か、デスクトップ仮想化の実現方法は1つではありません。ビジネス上の目的如何によって、採用する技術要素が異なります。組織、ユーザーにとって最適なデスクトップ環境の姿を描くためにビジネス上の優先順位を明確にしておくことは極めて重要です。これは、この後設計により様々な要件を決定していく上での拠り所となります。

  • 利用する組織について
    組織についての情報は、仮想デスクトップ環境の構成を決定する上でとても重要です。以下の情報により、仮想デスクトップ環境の大枠の構成を決めていきます。
    -従業員数
    -ワークシフト
    -主な拠点
    仮想デスクトップ環境全体の規模感を計るために、従業員数の情報が必要です。従業員のワークシフトは、ログオンストームの予測や、スタンバイしておく仮想PCの台数などを把握するのに役立ちます。拠点の情報は、狭帯域拠点の抽出、展開計画の作成に必要です。

  • 端末の種類・用途
    現在使用している端末の種別について確認します
    -ノートPCか据え置きか、またはタブレット型のPCか
    -MacかWindowsか、OSのバージョンは何か、
    -それぞれ何台あるか

現在の端末の利用状況を把握することで、デスクトップ仮想化へ向けた移行難易度を測定できます。例えば、現在Windows XPなどのレガシーOSで運用していて、デスクトップ仮想化と並行して最新OSへのマイグレーションを行う場合、最新プラットフォームへの移行のための検証と、デスクトップ仮想化のための検証を同時に実施しなくてはなりません。一方で、デスクトップ仮想化後はシンクライアント専用機をユーザー端末として新規導入するケースも多いですが、現状の端末を利用し続けることも検討の余地があります。旧来のローカルPCにCitrix Receiverを導入して仮想デスクトップのクライアント端末として使用を続けることも可能です。これにより、投資の最適化を図ることができます。

  • 使用するアプリケーションセット
    現在使用されているアプリケーションを洗い出し、各アプリケーションの利用者数、使用時の負荷(CPU、メモリーの使用率)を確認します。これにより、さらに詳細なユーザーの分類を行い、必要なOSマスターの種類、プール型の仮想デスクトップの採用可否、サーバーホスト型仮想アプリケーション採用の可否を検討します。
    現在使用しているアプリケーションの棚卸作業は、デスクトップ仮想化プロジェクトにおいて極めて重要です。OSのマスターの種類はアプリケーションセットの種類であるといっても過言ではありません。また、そのマスターの種類は少なければ少ないほど運用負荷は軽くなります。例えば1000人のユーザーがそれぞれ異なるアプリケーションセットの個別のデスクトップを使用していた場合、OSのセキュリティパッチなどの更新があったときは1000台を対象に実施しなくてはなりません。1つのOSイメージを全員が使用可能であれば、例え1000人の利用者がいても、更新対象はその1つのマスターイメージです。当然ですが、10種類のイメージであれば更新対象は10のマスターイメージです。このマスターイメージの数を決める最も大きな要因が、アプリケーションセットの種類です。

  • 移動先からの利用の有無
    移動先、特にインターネットからの利用の有無は全体構成を決定する上で重要です。インターネットからアクセスする場合、非セキュアな環境からの接続を考慮する必要があります。アクセスインフラストラクチャーの構成に何を採用するか(認証強化のための2要素認証の採用、経路暗号化のためNetScaler GatewayによるSSL-VPNを採用するなど)を検討します。

  • 周辺機器やマルチメディア機能の利用の有無
    仮想デスクトップ環境では、デスクトップは実際にはデータセンターで稼働します。しかし周辺機器については手元で使用せざるを得ません。手元にある周辺機器をデータセンター上のデスクトップから制御するため、これまでとはかなり勝手が異なります。使用する可能性のある全ての周辺機器が仮想環境で使用可能か、テストする必要があります。従って、現在利用者がどのような周辺機器を使用しているかの洗い出しを行います。
    また別の観点で、仮想デスクトップ環境ではどこからでも自身のデスクトップにアクセスできる環境を実現可能です。この中で、これまでと同様の運用方針で良いか、検討する必要があります。
    マルチメディア機能はデスクトップ仮想化のソリューションとはあまり相性の良い機能ではありません。特に動画は画面の差分イメージが多くなるため、ネットワークに流れるデータが多くなり負荷をかけます。動画アプリケーションの利用(社内向け動画配信サイトなど)や、音声アプリケーション(Web会議システムなど)の利用有無を確認します。

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